じゃあさあ、いったい、淋しくなったらどうしてるの？
毎日は雑多に過ぎていくけど、
小さな幸せもたくさんあるけど、
そこのかどっちょを曲がろうとしたその時に
「あ、もう消えたい」って針が突き刺さるのはどういう訳なの？
淋しくならない人っているのかなあ。
ねえ、淋しくならないの？
一度そう思ったことないの？
女の子はだいたい、好きなひとのこと、思うのかな。
柔らかくて耳障りのいい言葉と逃げられないほどの抱擁、
何か言おうとしても塞がれる唇。
小さな自分、可愛い自分、守られている自分。
そうすると、淋しく、なくなる？
ナツコさん、そんな夢みたいなの、叶ったことがないからわからない。
じゃあ好きなひとがいない場合は？
いてもうまくいかない場合は？
お友達と遊びにいくの？
お買い物しにいくの？
趣味の時間を充実させるの？
そんな時こそ自分磨きに精を出すの？
そうしたら、淋しいのがなくなるの？
ナツコさんは何をやったって淋しさが浮き彫りになるよ。
男の人はどうするの？
女の子の胸で眠るの？
とりあえず出してさっぱりするの？
仕事だけを見て突っ走るの？
そんな淋しいのなんて、飼いならすの？
そういうときは本なんか読まないんだ。
音楽に感情を預けてしまえ。
わたしのなかから流れ出して、どこかに散ってしまった、
ような、
気になるから。
そしてまた小さな胸に戻ってくる。
そして、小さな胸に小さな天使をみつけるの。
淋しく美しい、小さなメロディを奏でるのよ。
それはオルゴールのような、
可愛いような不気味なような、
年喰ったくせに夢をみることをやめない
おばさん乙女の心。
