生うふ帳

中華丼。
それは丼界のヒエラルキーのなかでも
マイナーな存在。
牛丼やカツ丼のスター性もなく、
親子丼の癒やし感も
天丼の華やかさもない。

マイナーな理由は意外にも
「具の種類が多い」
ことにあるような気がする。
肉・玉ねぎ・飯！という単純明快さがない。

中華丼を作ろうとして、
全ての材料が自宅に揃っていることなど稀だろう。

豚肉・海老・白菜人参椎茸筍各種野菜・絶対外せないキクラゲにあると嬉しいうずら卵。

だから私は中華丼を作らない。
故に常に中華丼に餓えているのだ。

今日私は王将で中華飯を食べてきた。
王将は素晴らしい。
大好きだ。
しかし王将の中華飯は「違う」。

あんが茶色い。
駄目だ、白湯ベースでなくては駄目なのだ。
しかし王将が悪いわけでもなく、もくもくと食す。

理想の中華丼。
野菜に火が入りすぎず固すぎず、
豚はバラ肉、キクラゲ多め、
あんはどろりとし過ぎない。

ありそうでないもの。
いつの日か出会ったはずのもの。


私は今日も中華丼に恋焦がれている。