「エクソシスト」の原作のなかのリーガンは
母親の友人(映画監督)に性的虐待を受けていたのだと、
私には読める。
リーガンの悪魔つきの様子は
虐待を受けた子どものそれにきわめて似ている。
優れた小説はその時代背景も描き出すが
この作品もまた、
1970年代のアメリカの持つ病巣を浮かび上がらせている。
幼児虐待の悲しさは、
受けた本人が得てして「可愛くない子ども」になっていくことにあると思う。
可愛がろうと思っても可愛がれないほどに。
損失されたもの、
愛着の再構築は本当に可能なのか?
たくさんの悩める母親に会って思うのは
彼女たちを悩ませているもののほとんどは
「共同幻想」であるということ。
女は生まれながらにして母性本能なんかもっちゃいない。
そういう女がモテはやされると刷り込まれていくだけだ。
母性本能(と呼ばれているもの)で男を好きになること、
それはその男をスポイルすることに他ならないと思う。
それもまた虐待のひとつの形かもしれない。
・・・・こわっ。
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