生うふ帳

朝ご飯とおやつ

義母は男尊女卑のなかで生きてきて、

誰の愛も知らず
ただ与えて与えて、

与えて与えて、


そしたら強く求愛する男がいて
「両手を広げて抱きしめてくれるなら」って約束で、

ちょっと気取った変わり者の家に嫁いだのです。


結局抱きしめてもらうことなんかなく

与えて与えて与えて与えて与えて


いまひとりきり。



おかーさん、手繋いでる熟年カップルみて
気持ち悪い、イヤだって言うけど

本当はしたいんだよ。

だって抱きしめられていいんだもん。

ずっと淋しいのミナイフリできたんだもん。

誰だって優しくされたいよ。



そう言ったら

驚いた顔して



それから




そうかもね




って小さな声が聞こえた。